
「詰問と尋問と質問の違いや意味がよく分からない」「詰問の意味や使い方、詰問の例文を知りたい」「尋問の意味や尋問の英語表現を確認したい」「質問の意味や質問の類義語や対義語、質問の英語表現を整理したい」と感じている方は多いと思います。
とくにビジネスメールや会議の場で、「この場面は質問で良いのか、それとも詰問に近いニュアンスになってしまわないか」「尋問という言葉は日常会話で使っていいのか」など、言葉の選び方に迷う瞬間が出てきます。また、「詰問はパワハラに当たるのではないか」「詰問と尋問と質問の違いを辞書的な意味だけでなく、実際の使い方や言い換え表現、語源まで含めて整理したい」と感じて検索されている方もいるはずです。
そこでこの記事では、違いの教科書を運営しているMikiとして、詰問と尋問と質問の違いや意味を軸に、それぞれの語源・類義語・対義語・英語表現・使い方や例文まで、初めての方にも分かりやすいようにまとめていきます。詰問と質問の違いだけでなく、取り調べで使われる尋問との違いも丁寧に整理しますので、読み終えるころには「どの場面でどの言葉を使うべきか」がはっきりイメージできるようになるはずです。
- 詰問と尋問と質問の意味の違いと基本イメージ
- 詰問・尋問・質問それぞれの語源と類義語・対義語
- ビジネスや日常での正しい使い方と言い換え表現
- 英語表現や具体的な例文を通じたニュアンスの確認
目次
詰問と尋問と質問の違い
まずは、詰問・尋問・質問という三つの言葉が、どのような場面でどう使い分けられているのかを全体像から整理します。このセクションでは、「詰問と尋問と質問の意味の違い」と「実際の使い分け」「それぞれに近い英語表現」の三つの観点から、頭の地図を作っていきましょう。
結論:詰問と尋問と質問の意味の違い
結論から先にまとめると、詰問・尋問・質問の違いは次の三点で整理できます。
- 詰問:相手を責めるように、厳しく問いただすこと。感情や圧力がこもりがち
- 尋問:裁判や取り調べなど、公的な場で事実を明らかにするために質問すること
- 質問:分からない点や疑問点を、純粋に尋ねること。最も中立で日常的な言葉
同じ「問いかける」行為でも、どれくらい強い姿勢で、どんな目的のために問いただすのかによって、適切な言葉が変わります。
- 感情をぶつけて責めるとき → 詰問
- 法的な手続き・取り調べ → 尋問
- ふつうに聞く・確認する → 質問
この基本イメージを押さえておくと、「詰問 尋問 質問 違い 意味」というキーワードで知りたかった疑問が、かなりスッキリしてくるはずです。
詰問と尋問と質問の使い分けの違い
実際の会話や文章では、次のような基準で使い分けるとイメージしやすくなります。
感情・トーンによる違い
- 声を荒げて責めるように問いただす → 詰問
- 淡々と情報を集める・事実確認 → 質問
- 厳しいが形式的・手続きとしての問い → 尋問
場面・立場による違い
- 上司が部下のミスを責めるように問い詰める → 詰問と受け取られやすい
- 会議で不明点を確認する → ごく普通の質問
- 警察や裁判所が証人に事実を聞く → 尋問
ビジネスシーンでは、相手にプレッシャーを与えないよう、できるだけ「質問」という中立的な表現を選ぶのが基本です。「詰問する」「詰問になってしまう」といった表現は、相手を追い詰めるニュアンスが強く、「詰問はパワハラではないか」と受け取られてしまうこともあります。
ハラスメントに関する判断基準や具体的な取り扱いは、企業や組織、国のガイドラインによっても異なります。
正確な情報は公式サイトをご確認ください。
また、職場環境やメンタルヘルスの問題が疑われる場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください。
詰問と尋問と質問の英語表現の違い
英語表現で整理すると、ニュアンスの違いがさらに分かりやすくなります。
| 日本語 | 主な英語表現 | イメージ |
|---|---|---|
| 詰問 | grill / press someone with questions / intense questioning | 質問攻めにする、厳しく問い詰める |
| 尋問 | interrogation / cross-examination | 取り調べ・法廷での尋問 |
| 質問 | question / inquiry | 一般的な質問・問い合わせ |
英会話やビジネス英語で「詰問するように聞かれた」と言いたいなら、He grilled me about the delay.(遅延について詰問された)などと表現するとニュアンスが伝わりやすくなります。一方、「質問がある」は I have a question.、「取り調べで尋問を受ける」は He was interrogated by the police. のように表現するのが自然です。
詰問の意味
ここからは一つずつの言葉にフォーカスして、より詳しく掘り下げていきます。まずは「詰問」。日常会話のなかでも、ときどき耳にする一方で、使い方を間違えると人間関係がこじれやすい言葉です。
詰問とは?意味や定義
詰問(きつもん)とは、相手を責めるように厳しく問いただすことを意味します。ただ事実を確かめるための質問ではなく、相手の非やミスを追及するニュアンスが強い言葉です。
辞書的には「相手を責めて厳しく問いただすこと」といった説明がされますが、私の感覚としては、次の二つの要素があるときに「詰問」という言葉がしっくりきます。
- 相手が答えづらいことを、逃げ道のない形で責め立てる
- 事実確認よりも、「なぜそんなことをしたのか」と感情的に問い詰める
たとえば、
- 「昨日どこに行っていたのか、正直に言いなさい」と何度も詰め寄る
- 部下を皆の前で立たせて、ミスの理由を細かく責めるように問いただす
といった場面では、単なる質問ではなく、まさに「詰問している」と言えます。
詰問はどんな時に使用する?
実務的には、詰問という言葉を自分に対して使うことはあまりありません。「部下を詰問する」「妻から詰問される」といった、相手の言動を評価するときに用いられることが多い表現です。
詰問が使われる典型的な場面
- 家庭:帰宅時間やお金の使い方などを、伴侶が強い口調で問いただす
- 職場:ミスをした部下に対して、上司が執拗に責任を追及する
- トラブル:不倫・金銭・約束の反故など、信頼を裏切る行為の追及
こうした場面では、「質問する」「確認する」といった表現ではなく、相手を追い詰めるように問い続ける状況が多いため、「詰問」という言葉が選ばれます。
職場での叱責や指導の方法については、労働基準監督署や各自治体・省庁のハラスメント関連ページなど、正確な情報は公式サイトをご確認ください。
自分や周囲の言動がハラスメントに当たるかどうか判断に迷う場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください。
詰問の語源は?
詰問という漢字は、「詰」と「問」で構成されています。
- 詰:詰める・詰め寄る・問い詰める など、「追い込む」「ぎゅっと近づく」イメージ
- 問:問う・尋ねる、すなわち「質問する」行為そのもの
つまり詰問は、「問いを詰める」「質問で追い込む」というイメージを漢字の形からも読み取ることができます。同じ「問う」を含む言葉でも、「質問」が中立的なのに対して、「詰問」は距離を詰めて追い詰めるニュアンスが加わっているわけですね。
詰問の類義語と対義語は?
詰問の意味をもっとクリアにするために、類義語と対義語も整理しておきます。
詰問の類義語
- 尋問:口頭で問いただすこと。特に取り調べや裁判での質問
- 追及:責任や原因を徹底的に追い詰めること
- 難詰:欠点を挙げて厳しく責めること
- 糾弾:罪や責任を公に問いただし、非難すること
これらはいずれも、「問いながら責める」「責任を追う」という要素を持っています。その中で詰問は、日常会話でも使われる、やや感情的な追及を表す言葉と言えます。
詰問の対義語に近い表現
- 質問:中立的・素直に尋ねること
- 確認:事実を落ち着いて確かめること
- 対話:一方的に責めるのではなく、お互いに意見を交わすこと
ビジネスや人間関係を大切にしたい場面では、詰問にならないよう、質問や確認という言葉と態度を意識することが重要です。
尋問の意味
次に、「尋問」の意味と使い方を見ていきましょう。尋問は日常会話で多用するというよりも、ニュースやドラマ、法律関係の文章でよく登場する言葉です。
尋問とは何か?
尋問(じんもん)とは、事実を明らかにするために、質問して答えを求める行為を指します。特に裁判所や警察など、公的な場面で使われることが多い言葉です。
- 刑事裁判での証人尋問
- 警察署での取り調べにおける被疑者の尋問
- 弁護士による反対尋問(クロスエグザミネーション)
詰問と違い、尋問には必ずしも「感情的に責める」という要素は含まれません。むしろ、制度やルールに基づいて、必要な事実を引き出すための質問というイメージが強い言葉です。
尋問を使うシチュエーションは?
「尋問」という言葉がふさわしいのは、主に次のようなシチュエーションです。
法律・裁判の場面
- 裁判所で証人尋問が行われる
- 弁護士が被告人に対して反対尋問を行う
- 裁判官が補充尋問を行う
警察・捜査の場面
- 警察が容疑者を尋問する
- 取り調べ室で長時間にわたる尋問が続く
日常会話で「友人を尋問した」「子どもを尋問する」という言い方をすることもありますが、これは多くの場合、あえて少し大げさに表現しているユーモラスな言い方です。本来の尋問は、公的な権限に基づくかなり重い言葉だと押さえておきましょう。
尋問の言葉の由来は?
尋問の「尋」は、「尋ねる」と同じ漢字です。「たずねる」「探し求める」「問いただす」といった意味を持ち、情報や答えを探しにいくイメージがあります。
- 尋ねる:分からないことを聞く、人や物を探す
- 尋問:事実を明らかにするために質問する
同じ「尋」を含む言葉としては、「尋ねる・訪ねる・訊ねる」の三つの「たずねる」の違いもよく話題になります。これらの詳しい違いは、「尋ねる」「訪ねる」「訊ねる」の違いと意味・使い方や例文まとめで詳しく整理していますので、併せてチェックしておくと理解がより深まります。
尋問の類語・同義語や対義語
尋問に近い意味を持つ言葉としては、次のようなものがあります。
尋問の類語・同義語
- 取調べ:警察や捜査機関が事実を確認するための手続き全般
- 聴取:事情を聞き取ること。事情聴取など
- 審問・審尋:裁判所などで事情を詳しく聞く手続き
尋問の対義語に近い表現
- 黙秘:質問に答えないこと
- 任意の聴取:強制ではない事情聴き取り
いずれも法律や行政の文脈で使われる、やや専門的な言葉です。「質問」や「アンケート」といった日常語とは、重さがかなり違うことを意識しておくと、表現の選び方がぐっと洗練されます。
質問の意味
最後に、「質問」の意味と使い方を整理します。私たちが日常的に最もよく使うのが、この質問という言葉です。
質問の意味を解説
質問(しつもん)とは、分からない点・疑問点・知りたいことについて、相手に答えを求めることです。詰問や尋問と比べて、もっとも中立で穏やかなニュアンスを持つ言葉と言えます。
- 授業中に先生へ質問する
- 会議で不明点を質問する
- 問い合わせフォームから質問を送る
こうした場面では、「詰問」や「尋問」という言葉を使う必要はなく、すべて「質問」で問題ありません。詰問や尋問は、質問の中でもかなり特殊なケースだと考えると、整理しやすいと思います。
質問はどんな時に使用する?
質問は、ビジネスから日常会話まで、ほぼあらゆる場面で使える万能な言葉です。
質問を使う典型的な場面
- 学校:分からないところを先生に質問する
- ビジネス:会議や面談で質問をする/アンケートで質問項目を作る
- 接客:お客様からの質問に丁寧に答える
また、「質問タイム」「質疑応答」「オープンクエスチョン」「クローズドクエスチョン」など、質問という言葉は多くの派生表現も持っています。コミュニケーションの質を上げたいときは、どんな質問を投げかけるかを意識することが非常に大切です。
質問の語源・由来は?
質問の「質」は、「問いただす・尋ねる」という意味を持つ漢字です。「品質」の質とは別の意味合いで、「問いの本質を明らかにする」といったイメージを含んでいます。
- 質す(ただす):問いただす、はっきりさせる
- 問:問う、尋ねる
質問は、ただ何となく聞くのではなく、分からない点の「質(本質)」を明らかにするために尋ねる行為です。だからこそ、良い質問は議論を深め、話し合いの質を高めると言われます。
質問の類義語と対義語は?
質問に近い言葉と、対立するイメージの言葉も見ておきましょう。
質問の類義語
- 問い:より広く「問うこと」全般
- クエスチョン:question のカタカナ形
- インタビュー:相手に質問をしながら話を聞き出すこと
- 質疑:質問とそれに対する答えのやり取り
質問の対義語に近い表現
- 回答・解答:質問や問題に対して答えること
- 沈黙:何も聞かず、何も言わないこと
ちなみに、「回答」と「解答」の違いや、「答える」と「応える」の違いも、質問とセットでよく話題になるテーマです。このあたりの違いについては、「回答」と「解答」の違いや意味・使い方・例文まとめや、「答える」と「応える」の違いや意味・使い方・例文も参考にしてみてください。
詰問の正しい使い方を詳しく
ここからは、詰問の使い方に特化して、具体的な例文や言い換え表現、注意したいポイントを整理していきます。「相手を詰問してしまった」と言われないためにも、どこからが詰問になるのかを感覚的に掴んでおきましょう。
詰問の例文5選
まずは、詰問がふさわしい場面をイメージしやすいように、例文を五つ挙げます。
- 上司は、売上の大幅な減少について担当者を執拗に詰問した。
- 帰宅が遅くなった理由を、配偶者から一問一答で詰問されてぐったりした。
- 彼は浮気を疑われ、友人たちからLINEの履歴まで細かく詰問された。
- 顧客のクレーム対応で、担当者を皆の前で詰問するのは避けるべきだ。
- 詰問口調になってしまい、部下との信頼関係が一気に崩れたと反省している。
どの例文にも共通するのは、「厳しく」「しつこく」「逃げ場のない形で」問いただしているという点です。
詰問の言い換え可能なフレーズ
ビジネスメールや会議の場では、「詰問する」という言葉をそのまま使うよりも、もう少し柔らかい表現に言い換えた方が穏当なケースがほとんどです。例えば次のような言い換えが考えられます。
- 部下を詰問した → 部下に厳しく確認した/詳細を問いただした
- 顧客を詰問する → 顧客に疑問点を重ねて尋ねる/しつこく理由を聞く
- 詰問口調 → 責めるような口調/問い詰めるような言い方
客観的な文章にしたいときは、「厳しく問いただす」「責任を追及する」といった言い換えのレパートリーも持っておくと便利です。
詰問の正しい使い方のポイント
詰問という言葉は、自分がこれからやろうとしていることを表すよりも、すでに起こってしまったコミュニケーションの評価として使うのが基本です。
使い方のポイント
- 「〜を詰問したい」ではなく、「〜を詰問してしまった/詰問された」と振り返る形が自然
- 会議の議事録や報告書では、「詰問」より「厳しい質問」「詳細な確認」などに言い換える方が無難
- 第三者の行為を批判的に表現したいときに、「詰問するような態度」と使うことが多い
「これから詰問します」と宣言してしまうのは、相手との関係を壊すリスクが高いので、避けた方が良いでしょう。
詰問の間違いやすい表現
最後に、詰問に関してよくある誤用や、混同されやすいケースを挙げておきます。
- ×「クライアントに詰問のメールを送る」
→ ○「クライアントに厳しい質問のメールを送る」 - ×「お客様に事情を詰問いたしました」
→ ○「お客様に事情を詳しくおうかがいしました」 - ×「部下を少しだけ詰問しました」
→ ○「部下に詳細を確認しました」
ビジネスにおいては、相手を尊重した表現を選ぶことが何より大切です。詰問という強い言葉は、自分や組織の姿勢を振り返るときの反省表現として、慎重に使うようにしましょう。
尋問を正しく使うために
続いて、尋問の使い方や言い換え表現を詳しく整理します。ニュースやドラマで頻繁に登場する言葉ですが、日常の会話で使うとやや大げさになりがちな言葉でもあります。
尋問の例文5選
まずは尋問の具体的なイメージをつかむために、代表的な例文を五つ紹介します。
- 裁判所で証人尋問が行われ、事件当日の行動が詳しく明らかにされた。
- 被疑者は長時間の尋問に疲れ切った表情を見せていた。
- 弁護士による反対尋問で、証言の矛盾点が次々と浮かび上がった。
- ドラマの取り調べシーンでは、厳しい尋問がクライマックスとして描かれることが多い。
- 親が子どもを冗談交じりに「犯人扱い」して尋問するのは、信頼関係を損ねる原因になりかねない。
1〜3は典型的な法律・捜査の文脈、4〜5は日常との距離感を示す例です。「尋問」という言葉自体に、ある程度フォーマルで重い響きがあることが分かると思います。
尋問を言い換えてみると
尋問は、文脈によって次のような言葉に言い換えることができます。
- 尋問する → 取り調べを行う/事情を聴取する/詳細を質問する
- 厳しい尋問 → 厳しい取り調べ/徹底した事情聴取
- 証人尋問 → 証人への質疑/証人への質問
ビジネス文書や一般向けの記事では、「尋問」という言葉を多用しすぎると、法律の専門記事のような硬い印象になってしまいます。読み手や場面に応じて、「取り調べ」「事情聴取」など、もう少し身近な表現に言い換えるのも一つの工夫です。
尋問を正しく使う方法
尋問という言葉を適切に使うには、次の三つのポイントを押さえておくと安心です。
- 法律・捜査・裁判など、公的な手続きが関わる場面で使う
- 日常会話では、冗談や比喩表現として使う場合にもトーンに注意する
- ビジネス文書では、必要でない限り「質問」「確認」などの柔らかい言葉を優先する
とくに上司と部下、親と子どもといった立場の差がある関係では、「尋問」という言葉をそのまま口にすると、相手にプレッシャーを与えかねません。「ちょっと尋問させてね」といったライトな冗談であっても、相手の表情や関係性を見ながら慎重に使うようにしましょう。
尋問の間違った使い方
最後に、「これは避けた方が良い」という尋問の使い方をいくつか挙げます。
- × 上司が部下に「今日のミスについて尋問するから来なさい」
→ ○「今日のミスについて、状況を詳しく教えてください」 - × お客様へのメールに「詳細を尋問させていただきます」
→ ○「詳細をおうかがいしてもよろしいでしょうか」 - × 子どもに「帰りが遅かった理由を尋問する」
→ ○「帰りが遅かった理由を教えて」「心配したよ」と伝える
尋問は、「聞き出す側」と「聞かれる側」の力関係がはっきりしている場面で使われる言葉です。日常の人間関係では、対話や質問という形で、対等なコミュニケーションを目指すことが何より大切です。
質問の正しい使い方を解説
最後のセクションでは、質問の例文と言い換え、良い質問をするためのポイントや、混同しやすい表現との違いをまとめます。「聞き方の質」を上げたいときのヒントとして活用してください。
質問の例文5選
まずは、ビジネスや日常でそのまま使える質問の例文を見ていきましょう。
- 本日の資料について、二点ほど質問させていただいてもよろしいでしょうか。
- ご説明いただいた内容で、一つだけ質問があります。
- 今の説明を踏まえて、追加で質問してもいいですか。
- 締め切りの日程について、いくつか質問があるため、後ほどメールをお送りします。
- 初歩的な質問で恐縮ですが、この部分の意図をもう一度教えてください。
これらの例文のポイントは、いきなり本題に入る前に「質問させていただいてもよろしいでしょうか」とワンクッション置いていることです。相手への配慮を一言添えるだけで、印象がぐっと柔らかくなります。
質問を別の言葉で言い換えると
文章が「質問」という言葉ばかりになってしまうときは、次のような言い換えが役に立ちます。
- 質問する → おうかがいする/伺わせていただく/いくつか確認したい点がある
- ご質問はありますか → ご不明な点はありませんか/気になる点があればお聞かせください
- 質問を受け付けます → ご質問やご意見をお受けします
また、「ヒアリング」「インタビュー」「アンケート」など、質問の形を少し変えた言葉もたくさんあります。状況に合わせて、相手が話しやすく感じる表現を選ぶのがコツです。
質問を正しく使うポイント
良い質問は、会議や面談、商談の質を大きく高めてくれます。質問の使い方で意識しておきたいポイントを三つ挙げます。
- 目的をはっきりさせる質問:何を明らかにしたいのかを自分の中で明確にしておく
- オープン質問とクローズド質問を使い分ける:自由な意見を引き出すか、Yes/Noで確認するかを意識する
- 相手を責めない聞き方を心がける:詰問ではなく、対話につながる質問をする
たとえば、「なぜこんなミスをしたんですか?」という問い方は、詰問のニュアンスが強く出てしまいます。代わりに、「今回の経緯を教えてもらえますか」「どんな状況だったか、順番に一緒に整理させてください」といった聞き方をすると、相手も話しやすくなります。
質問と誤使用しやすい表現
最後に、質問と混同しやすい表現や、誤解を招きやすい言葉の使い方を確認しておきましょう。
- 「少し詰問させてください」
→ 本来は「詰問」は責めるニュアンスが強いので、「少し質問させてください」が適切 - 「お客様を尋問する」
→ 法律用語的で不自然。「お客様に詳しくお話をうかがう」「状況をヒアリングする」が自然 - 「簡単な質問なので、すぐ答えられますよね?」
→ 相手にプレッシャーをかける表現。ビジネスでは避けたい
質問は、本来とても中立で便利な言葉ですが、言い方次第で詰問や尋問のようなニュアンスに変わってしまうこともあります。相手との関係や場面を踏まえながら、「どう聞けばお互いに気持ちよくコミュニケーションできるか」を意識して使っていきましょう。
まとめ:詰問と尋問と質問の違いと意味・使い方の例文
最後に、この記事全体のポイントをあらためて整理します。
- 詰問:相手を責めるように厳しく問いただす行為。感情や圧力が強く、パワハラと受け取られるおそれもある
- 尋問:裁判や取り調べなど、公的な場で事実を明らかにするための質問。法律・捜査の文脈で使われることが多い
- 質問:分からない点や疑問点を尋ねる、もっとも中立で日常的な表現。ビジネスでも日常でも安心して使える
同じ「問う」行為でも、目的・場面・感情の強さによって、適切な言葉の選び方は変わります。ビジネスシーンでは、相手を追い詰める詰問ではなく、事実を一緒に整理していくための質問を心がけることが大切です。
また、ここで扱った「詰問・尋問・質問」の他にも、「諮問・査問・審問」など、似たような漢字の組み合わせで意味が微妙に異なる言葉がいくつも存在します。興味があれば、「諮問」「査問」「審問」の違いと意味・使い方や例文まとめもあわせて読むと、日本語の感覚がさらに磨かれるはずです。
なお、この記事で紹介した意味の違いや使い方、語源や類義語・対義語・英語表現は、あくまで一般的な目安として整理したものです。法律やハラスメントに関わる判断、具体的なケースの取り扱いについては、正確な情報は公式サイトをご確認ください。また、トラブルや紛争など人生や仕事に大きな影響を与える問題については、最終的な判断は専門家にご相談ください。
言葉の違いを丁寧に意識することは、相手との関係を大切にすることにもつながります。この記事が、詰問・尋問・質問の違いや意味の理解に役立ち、日々のコミュニケーションが少しでもスムーズになるきっかけになれば嬉しいです。

